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仕事との両立を支援!介護休暇・子の看護休暇・短時間勤務制度について

公開日:2022年2月28日
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介護や育児に関する制度として、介護休業や育児休業はよく知られていることでしょう。 ですが、働きながら介護や育児をする労働者のための制度には、休業だけでなく休暇や短時間勤務もあります。
この記事では、一定の要件を満たした労働者が利用できる、介護休暇、子の看護休暇、および短時間勤務制度について解説します。

介護休暇・子の看護休暇・短時間勤務制度とは

介護休暇とは何で、介護休業とどう違うのか

最初に、介護休暇・子の看護休暇・短時間勤務制度それぞれについて、概略をお伝えします。
介護休暇・子の看護休暇・短時間勤務制度いずれも、男女を問わず利用できる点は共通です。

まず、介護休暇からです。
介護休暇は、要介護状態にある家族の介護を目的として取得する休暇です。
「要介護状態」とは、負傷や疾病、身体上あるいは精神上の障害のために、2週間以上、常時介護を必要とする状態を言います。

繰り返しになりますが、介護休業とは別のものですので、ご注意ください。 要介護状態にある家族を介護するための休みである点はどちらも同じですが、取得できる労働者の範囲や休みの日数が異なります。

介護休業は、2022年1月現在、入社1年以上の労働者を取得対象としており、日数も対象家族1人につき通算93日までとなっています。

子の看護休暇とは何か

子の看護休暇とは、小学校就学前の子の看護を目的として取得する休暇です。
「小学校就学前」とは、厳密には、子が6歳に達する日の属する年度の3月31日までを言います。


子の看護休暇という名称にはなっていますが、取得が認められる理由は、子どもの病気やケガの看病に限りません。
子どもに予防接種や健康診断を受けさせるために、子の看護休暇を取得することもできます。ですから、たとえば、子どもにインフルエンザの予防接種を受けさせるためという理由でも、取得が可能です。

短時間勤務制度とは何か

短時間勤務制度とは、介護または育児を目的として利用する、所定労働時間短縮などの措置です。

理由が介護であるか、あるいは育児であるかによって、短時間勤務制度を利用できる労働者の範囲や、措置の内容が異なります。 対象となる家族や子どもについても、もちろん、条件が定められていますので、のちほどくわしくご説明します。

どちらの理由で短時間勤務制度を利用するにせよ、労働者が働きながら介護・育児をすることが容易になるよう、事業主には配慮が求められています。

介護休暇とは具体的にどのような制度か
介護休暇の対象となる労働者と家族

前述したとおり、介護休暇とは、労働者が要介護状態にある家族の介護や世話をするために取得する休暇です。

介護休暇の取得対象となる労働者は、この要介護状態にある家族を介護している労働者です。

ただし、以下に該当する労働者は取得の対象外となります。

  1. ●日々雇用される労働者
  2. ●労使協定で対象外となっている労働者
  3. 入社6か月未満の労働者

    1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

介護休暇の取得対象となる「家族」の範囲は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫に限られます。
「子」は、養子も含めて、法律上の親子関係がある子を指します。

介護休暇を取得できる日数と単位

介護休暇を取得できる日数は、下記のとおりです。

  1. ●対象家族が1人 ⇒ 年5日まで
  2. ●対象家族が2人以上 ⇒ 年10日まで

介護休暇を取得できる単位は、1日あるいは1時間単位です。 ただし、従事する業務から1時間単位での取得が困難と認められる労働者については、労使協定に基づいて、1日単位での取得のみ可能となることもあります。

また、就業時間の途中で介護休暇を取得する、いわゆる「中抜け」に関しては、法令では定めがありません。ですが、できるだけ「中抜け」を認めるよう、事業主は配慮を求められています。

1時間単位での取得や「中抜け」ができるかどうかは、お勤めの職場でご確認ください。

子の看護休暇とは具体的にどのような制度か
子の看護休暇の対象となる労働者と子

前述したとおり、子の看護休暇とは、労働者が小学校就学前の子の看護をするために取得する休暇です。

子の看護休暇の取得対象となる労働者は、小学校就学前の子を養育している労働者のみです。
介護休暇と同じく、以下に該当する労働者は取得の対象外となります。

  1. ●日々雇用される労働者
  2. ●労使協定で対象外となっている労働者
  3. 入社6か月未満の労働者

    1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

ただし、子の看護休暇については、入社6か月未満の労働者であっても、一定の日数を取得できるようにすることが望ましいとされています。

子の看護休暇を取得できる日数と単位

子の看護休暇を取得できる日数は、下記のとおりです。

  1. ●対象家族が1人 ⇒ 年5日まで
  2. ●対象家族が2人以上 ⇒ 年10日まで

子の看護休暇を取得できる単位は、1日あるいは1時間単位です。 ただし、従事する業務から1時間単位での取得が困難と認められる労働者については、労使協定に基づいて、1日単位での取得のみ可能となることもあります。

また、「中抜け」に関しても、法令の定めがありません。しかし事業主はできるだけ認めるように配慮を求められています。

子どもの病気やケガの事実を証明する書類に関しても、事業主には柔軟な対応が求められています。たとえば、証明書類を医師の診断書に限定するのではなく、薬の領収書でもよいとする、などです。

短時間勤務制度とは具体的にどのような制度か
介護のための短時間勤務制度

前述したとおり、短時間勤務制度を利用する目的には、介護と育児の2つがあります。 まず、介護のための短時間勤務制度から、ご説明しましょう。

介護のために短時間勤務制度を利用できる労働者は、要介護状態にある対象家族の介護をしている、介護休業中ではない労働者です。

ただし、以下に該当する労働者は利用の対象外となります。

  1. ●日々雇用される労働者
  2. ●労使協定で対象外となっている労働者
  3. 入社6か月未満の労働者

    1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

介護のための短時間勤務制度については、下記のいずれかの措置が講じられなくてはいけません。

  1. ●短時間勤務の制度(1日の所定労働時間や、週または月の所定労働時間・日数の短縮)
  2. ●フレックスタイムの制度
  3. ●時差出勤の制度(始業または終業時刻の繰り上げ・繰り下げ)
  4. ●労働者が利用する介護サービスの費用の助成、その他これに準ずる制度

介護のために短時間勤務制度は、連続する3年間以上のあいだに、2回以上の利用することができます。

育児のための短時間勤務制度

育児のために短時間勤務制度を利用できる労働者は、3歳に満たない子を養育している、育児休業取得中ではない労働者です。

ただし、以下に該当する労働者は利用の対象外となります。

  1. ●日々雇用される労働者
  2. ●労使協定で対象外となっている労働者
  3. 入社1年未満の労働者

    1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

    業務の性質・実施体制から、短時間勤務制度が困難だと認められる労働者

育児のための短時間勤務制度については、原則として、1日の所定労働時間を6時間とする措置を講じなくてはいけません。 原則としてですから、もともとの所定労働時間が7時間45分の場合、5時間45分に短縮するという措置も可能です。 育児のために短時間勤務制度を利用できる労働者は、3歳に満たない子を養育している、育児休業取得中ではない労働者です。

利用回数に制限は定められておらず、子どもが3歳に達する日まで、育児のための短時間勤務制度を利用することができます。

まとめ

今回ご紹介した介護休暇・子の看護休暇・短時間勤務制度はいずれも、労働者が仕事と介護・育児の両立をしやすくなるよう、支援することを目的としています。

ほかの人より、休む日が多くなったり、出社が遅かったり、退社が早かったりすることを、後ろめたく思う必要はありません。 利用できる制度は、ぜひ有効に活用してください。

サガアサコ
長年のキャリアのなかで、総務・労務関係の実務経験は15年以上に。
社会保険労務士の資格取得済み。現在は、知識と経験を活かして、フリーランスのWebライターとして活動中。
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