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転職を重ねる税理士は敬遠されるのか?有利な転職の仕方とは?

公開日:2023年1月24日
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会計事務所は、他の職種に比べて転職が多い職場です。「会計のプロ」が人手不足の近年は、さらにその傾向が強まっているようですが、転職を繰り返すことに問題はないのでしょうか?一歩進んで、キャリアアップにつながる有利な転職の仕方とは?税理士の転職事情について、わかりやすく解説します。

税理士に転職が多い理由

税理士は「売り手市場」

仮に職場環境、待遇などに不満があったとしても、他に求人がない状況では、離職するには勇気が要ります。実際、会計業界も10年ほど前までは、それに近い状況もあったのですが、近年、様相は一変しました。税理士が不足し、若手を中心に「売り手市場」となっているのです。転職が増えているのには、そうした需給環境の変化という構造的な要因があります。

とはいえ、現状に問題がなければ、あえて転職は考えないでしょう。税理士の転職が多いのには、次のような“ポジティブ”“ネガティブ”両面の理由が考えられます。

職場の人間関係などがネックに

ネガティブ面からみましょう。特にほとんど同じ人たちと仕事をする小規模事務所の場合、年齢のギャップなどもあいまって、人間関係がギクシャクすることが珍しくありません。そのストレスが転職の動機になることがあります。

また、この業界には、確定申告の時期や3月決算の会社の決算期といった特有の繁忙期があります。人手が十分足りていない職場では、忙しさはひとしお。この時期の残業の慢性化などによる心身の疲労に耐えかねて、離職を選ぶ人もいます。

資格を生かして「上」を目指したい

一方、税理士には、専門的な会計スキルと、それを裏打ちする資格を持っているという強みがあります。これを武器に、よりよい待遇を求め、キャリアアップを図るために転職する人が多くいます。

資格に加えて、業界での業務経験は大きなアドバンテージになります。このため、中小の事務所で実績を積み、大規模事務所、税理士法人に転職するというパターンが多くみられます。独立・開業を目指す人もいます。

逆に言えば、メンバーが経験を積んでも、給与をはじめとする待遇改善が実現できなかったり、キャリアアップにつながる仕事の場を与えられなかったりする事務所は、人材をつなぎ止めるのが難しい状況が生まれているわけです。

転職を繰り返しても大丈夫?

転職回数が多ければ「警戒」される

繰り返しになりますが、現在、税理士は「売り手市場」にあります。人材が欲しい事務所が普通に募集をかけても、なかなか応募者が来てくれない状況です。

しかし、だからといって、税理士資格があれば即採用される、というわけではありません。何度も転職を繰り返した人が面接にやってきたら、まずはその理由を尋ねたくなるのは、採用担当者の立場になってみればわかると思います。

採用側が抱くイメージは?

会計業界に限らず、転職を繰り返す人はいます。そうした人には、次のような共通する特徴があるといわれます。

  1. ・他人とのコミュニケーションが苦手
  2. ・性格的に飽きやすい
  3. ・すぐにカッとなるなど、感情の起伏が激しい
  4. ・他と比較して、そちらが良く見えることが多い
  5. ・人の意見に流されやすい
  6. ・発想がネガティブで不満を抱えやすい

決して自分がそうでなくても、採用する側は、履歴書を見ながらそうした先入観を持つことを十分認識しておくべきでしょう。

辞められるのは困る

採用する事務所にとって、仕事ができなかったり、職場の雰囲気を悪くされたりというのも問題ですが、せっかくコストをかけて戦力に育てたと思ったら辞職願を出された、というのは最悪です。転職回数が多い人は、どうしても「長続きしないのでは」という印象を持たれますから、その点でもハンデを抱えていることを自覚する必要があります。

何回転職すると「要注意」なのか?

そもそも、何回職場を移ったら「多いな」と思われるのでしょうか?もちろん事務所や担当者によって印象は異なるはずですが、20代で2~3回程度、30代以上で3~5回程度転職していると、多いイメージを持たれるようです。

ただ、会計業界は、一般の企業に比べ人材の流動性は高く、就職に際して転職の回数が決定的なダメージにはなりにくいといえます。重要なのは、説明したような採用側の先入観を打ち消し、むしろ転職回数をメリットとして訴えられるような説明ができるかどうかです。

よりよい転職の仕方を考える

よりよい転職の仕方を考える

極論すれば、何度転職を繰り返していようとも、それぞれの理由が新たな採用側の納得のいくものであれば、問題にはならないでしょう。

例えば、「最初は小さな所帯の事務所に就職しましたが、幅広い業種のクライアントを経験したくて、今の事務所に移りました。御社を希望したのは、そうした経験を生かしてコンサル的な仕事をやってみたいと思ったからです」というような説明だったら、能動的な転職だと受け取ってもらえるはずです。

一方、例えば「給与が低かったから」「人間関係が嫌だったから」といった理由では、悪い先入観を払拭するのは、困難です。かつて働いていた事務所の悪口を言ったりすることも、いい印象にはつながりません。

転職回数を付加価値にする

ネガティブな理由で職場を転々としても、あまりプラスになることはないと思いますが、多くの世界を経験すること自体は、悪いことではありません。税理士の場合、複数の事務所で多彩なクライアントに接し、仕事をしてきたことは、自らの血肉になっているはず。そうした経験がキャリアアップにつながっていることをアピールすることができれば、転職回数の多さをメリットに転化させることも可能なのです。

そのためには、まず自分が過去の職場で何をしてきたのか、どんなスキルを磨いたのかを整理してみることが大事です。そうすることで、「これからやりたいこと」「最適の転職先」も、より明確になると思います。

一般的に、企業の採用活動には、若手の成長に期待する「ポテンシャル採用」と、即戦力や幹部候補を求める「経験者採用」があります。転職回数の多い税理士は、後者の経験者採用にターゲットを絞り、自分の強みを訴えていくのがいいでしょう。

どんな事務所を選ぶべきか

独立を考えている場合などを除き、誰しも「いい事務所で、長く働きたい」と考えるはず。何回か転職を重ねてきた人の場合はなおさらで、面接などでずっと働く意思を示すことは、採用でもプラスに働きます。

その前提として、就職先に「いい事務所」を選ぶ必要があります。「転職回数が多い身分だから」と妥協したりすると、後々禍根を残すことになりかねません。待遇や仕事の中身はもとより、トップ(所長)がどういう人物なのか、きちんとした経営方針を持っているのか、といったことも長く働くうえでは、重要なファクターです。必要に応じて転職エージェントなどの活用しながら、納得のいく転職先を見つけましょう。

まとめ

何回か転職してきた税理士が、新たな就職にチャレンジする場合には、これまでの転職理由やそこで得たものを採用側の納得できる形で説明できることが、大きなポイントになります。キャリアを整理したうえで、経験、実績を売りにできる就活を心がけましょう。

人材スカウト編集部
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