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会計事務所の仕事と一般企業の経理職の仕事はどう違う?仕事内容や働き方、給与面などの違いを解説

公開日:2022年6月24日
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会計業界への就職や転職を考えるとき、候補になるのが「会計事務所」と「一般事業会社の経理部署」です。この2つの具体的な仕事や待遇は、どのような違いがあるのでしょうか?今回は、キャリアを生かす・伸ばすために知っておきたいそれぞれの仕事内容や、求められるスキルなどを解説します。

仕事内容の違い

会計事務所の仕事とは?
顧客は一般企業や個人事業主

まずは会計事務所の仕事内容からみていきましょう。会計事務所は、企業や個人事業主などクライアントの会計処理、税務申告にかかわる業務、経営支援といったサービスを提供しています。

クライアントが会計事務所に求めるメインの業務が、税務です。作業が煩雑で専門知識も必要とされるうえミスが許されない税務申告を、記帳代行(帳簿付け)、申告書の作成、あるいは節税対策の実行といった形で、クライアントのニーズに合わせてサポートします。納税者に代わって申告書を作成したりする行為は、税理士資格がないとできませんが、会計事務所では、税理士の指示に従って申告に必要な業務に携わる「税理士補助」という立場で仕事をすることができます。

顧客の幅広いニーズに対応する

会計事務所では、1人が数件~数十件のクライアントを担当します。ニーズはそれぞれ違いますので、それらに従って幅広い業務に携わることになります。対応する相手は、会社の経理担当者の場合もあれば、経営者と直接コミュニケーションをとることもあります。

正確な税務申告のためには、きちんとした経理・会計処理が不可欠です。特に規模が小さく、人を雇う余裕のない会社からは、後述の経理業務なども含めて会計事務所に依頼されるケースもあります。一方で近年は、会計・税務の知識を生かした経営コンサルタント機能などを強化する事務所も増えています。そうした事務所で経験を積めば、会計の枠を超えた仕事を任される可能性もあるでしょう。

一般企業の経理職の仕事とは?
自社のお金の流れを整理し(仕訳)、入出金を管理する

一般事業会社の経理職は、自社の経理業務に携わります。傘下に子会社を持つ場合には、グループ全体の経理を担当することもあります。

経理といっても、数字の処理だけをしているわけではなく、通常は次のような業務を行います。

  1. ● 取引内容の仕訳、会計ソフトへの入力
  2. ● 預金や小口現金の管理
  3. ● 入金管理
  4. ● 振込や支払い
  5. ● 請求書の発行
会社の屋台骨を支える

小規模な会社では、少人数でこれらを担うので、お金の流れという面から会社全体を把握しながら仕事を進めることになります。他方で、仕事量が膨大になる大企業では、業務は分業化およびシステム化されています。

営業がどんなに稼いでも、経理がしっかりしていなければ、資金計画もままならず、会社は思うように成長できません。そういう意味で、経理は目立たないながら経営を支える重要な役割を担っています。経営分析・経営戦略の立案といった機能を経理部署に持たせるケースもあります。

働き方の違いは?

「顧客対応」がある会計事務所

会計事務所も企業の経理職も、内勤が基本です。コロナ禍でリモートワークも増えましたが、いずれにしても仕事の大半はデスクワークになります。

ただ、会計事務所では、ある程度経験を積むとクライアントへの定期的な訪問を任されることもあります。月次決算などの報告や税務相談に応じる(税理士資格がないと直接行うことはできません)ためです。

また、クライアントの年末調整が始まる11月頃から、翌年3月半ばまでの個人の確定申告期間、続いて社数の多い3月決算企業の法人税の申告期限である5月までのおよそ半年は、業務量が一気に増える“繁忙期”になります。この期間は、残業や休日出勤が避けられません。

あくまで「自社限定」の経理職

一般企業の経理職の場合、業務で外出する機会はほとんど無いと言っていいでしょう。外出するとすれば、税務署や年金事務所で所要の手続きを行うくらいだと考えてください。

年末調整の時期や決算期には、やはり業務量が増えますが、あくまでも自社の案件の処理にとどまりますから、多数のクライアントを抱える会計事務所ほど極端な増え方はしないのが普通です。残業や休日出勤も、会計事務所と比較すれば少ないとされています。

求められるスキルの違い

会計事務所で必要なスキルは?

仕事の性格上、税理士試験で科目合格をしていたり、日商簿記2級以上の資格を持っている方が、就職には有利といえます。その環境で働きながら、税理士試験の突破を目指す人も少なくありません。また、新人時代から携わることになる記帳業務では、会計ソフトを使うことになりますので、ある程度のPCスキルも必要になります。

先述の通り、会計事務所のメンバーは、クライアントを訪問して様々な説明を行ったり、相談を受けたりもします。会計と聞くとデスクワークのイメージがありますが、高い専門知識とともに、ある程度のコミュニケーション能力も求められることは念頭に置くべきでしょう。

会社の経理職で必要なスキルは?

経理に要求されるのも、言うまでもなく会計・税務の知識とスキルです。やはり簿記2級以上の資格があれば、歓迎されるはずです。ただし、例えば税理士資格を取得するほどの専門知識を身に付けても、必ずしも社内でのステップアップにはつながらない可能性があります。一般の会社は税務申告を会計事務所(顧問税理士)に委託することも多く、それほどの専門性は必要とされないからです。

重要なのは、自社の事業や経営環境などを踏まえた「自社に有利な経理、会計処理」に徹すること。それに必要な経験を積み、スキルを磨くことが求められるのです。

それぞれの給与水準は?
会計事務所の給与水準

会計事務所の給与(年収)は、事務所の規模や個人の資格の有無、業務内容などによって大きく違ってきます。 一般的には、事務所の中心となる税理士で平均700万円程度、そのサポート的な立場で働く税理士補助や会計入力スタッフは300万円~500万円ほどといわれます。案件に直接かかわらない総務などのスタッフは、300万円前後になります。

会計事務所と企業の経理職の違いを整理する

経理職の場合は、規模や業種、上場・非上場といった会社の状況によっても、年収にかなりの差が出ます。簿記・会計の専門知識が求められる分、一般事務職に比べると給与は高い傾向があり、正社員の平均で400万円程度になります。もちろん、役職が上がれば給与も上乗せされていきます。

会計事務所と企業の経理職の違いを整理する

ではここで、会計事務所と企業の経理職の違いをおさらいします。

会計事務所 一般企業の経理職
仕事で対応する相手 事業会社や個人事業主などのクライアントがメイン 自社の経理を担当する
働き方 内勤が中心だが、クライアント先への訪問もある ほぼ内勤
繁忙期 年末から翌年5月ころまで超繁忙期で、この期間の残業や休日出勤も多い 繁忙期はあるが、会計事務所に比べれば残業などは少なめ
必要なスキル 幅広い専門知識を持つのがベター。資格を取得したり、申告書作成までの業務を一通り完結できるようになると給与水準もアップする。 自社の経営環境などについて深く知ることが求められる。役職が上がれば給与水準はアップする。
まとめ

同じ“会計まわり”の仕事でも、会計事務所で働くのと、一般企業の経理に身を置くのとでは、大きな違いがあります。業界への就職や転職を考えている人は、この記事を参考にしてキャリアアップを目指してください。。

人材スカウト編集部
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